滋賀県東近江市のスポーツターフ・造園・外構工事株式会社武藤造園

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芝生シリーズ(3)

前回までは芝生シリーズ(1)、(2)としての紹介をさせていただきました。
その後の競技場新設現場でのスポーツターフの生育状況を成長(生育)の凄さ、手を入れれば必ず応えてくれる生き物の素晴らしい成長力を見ていただければと思います。

蒔き芝の実施日は、7月6日、7日の2日間でした。その後シリーズ(2)で8月中旬頃までの紹介をさせていただきましたが、お陰さまで今年の暑い天気(猛暑)にも助けられ、8月中下旬から9月に入ってからは、目覚ましい生育を見せてくれ、ほぼ全面が芝生で覆ってくれました。
今回の紹介は、その後の芝生管理作業と使用機械類、芝生の成長具合とスポーツターフ作りの仕上げに向けた芝生の状況を紹介となります。

 

【使用機械や作業後の芝生の状態説明】

3連ロータリーモア

<説明>
バミューダグラス(ティフトン419)は張芝後や施肥することで横にも伸びますが上にも伸びます。特に芝生化工事直後は伸びやすく成長が旺盛になり地上面(表土)への伸びが目覚ましいのと上にもたくさんのランナーが伸びてきます。ランナー押さえに時々ロータリーモアの芝刈り機械を利用して上へのランナーを押さえました。使用した機械は集草箱付きで実施しました。リールモアとは別の刈刃での使用で上に伸びているランナーを刈り取り(刈り払い)を実施しました。

3連リールモア

<説明>
工事施工当初は、基盤の土壌が軟らかい部分も想定されたので小型の芝刈り機械(1連リールモア)を使用して作業を進めましたが、芝生の根の張りや基盤土壌の固まりも進み乗用型のモア(3連リールモア)を使用しました。これには土壌の締固めと均一な芝生面の仕上げに役立ちます。刈り高さは工事初期の芝生の成長具合をよく確かめて、高からず低からずの実施で芝生の生育を最良に引き出す刈り高さを設定して実施です。

転圧状況です。

<説明>
芝生化施工後に、フイールドの設計高さやピッチからの勾配、施工後に利用がされる競技利用での不陸整正を、この時期に転圧ローラーを入れて基本的な作業の補修をします。機械と一体となった振動や傾斜の感じを取り目砂散布や人力散布につなぎます。施工する機械は土壌の硬さ、水分の保持などを検討して使用機械の選定をします。

人力目砂撒き状況です。

<説明>
機械による転圧後は、まず目視で高低差をしっかりと見て低い所に目砂入れを人力で実施します。この作業は初期の作業では一番大事のように思います。
長年芝生管理に取り組みをさせて頂いてきた中で、大切なことは、毎日の管理作業に入る前には必ずフイールド内に入ったら目を通すこと、雑草はないか、利用後(プレイ後)の傷はないか、凸凹がないか、鳥が来ていないか、虫の発生は見られないか、芝生の色が変わっていないか、芝生が乾きすぎていないか、芝生の密度は保たれているかなど、いろいろな立場から見ていきますが、利用後のデボット補修などの基本は目砂入れが一番です。工事完了までは大きな目砂入れを実施しますが、毎日毎日の人力による目砂入れなどが素晴らしいスポーツターフを作る秘訣だと思います。

機械での目砂撒き

<説明>
機械での目砂まきは全面に実施します。施工初期では芝生の根の発生と沢山の根茎を作り、密度を高めるために重要なことですが、やり過ぎても将来に向けての維持管理に問題が起こってきますので、芝生の成長を見ながら少しづつ何回も実施します。目砂撒き後はしっかりと擦り込みも必要です。又、目砂まきでは、使う砂の粒径や透水性、保水性、使用量など考えての材料選びが必要になります。

芝刈り状況

<説明>
この現場では3連リールモアの実施です。
場所や用途によって使用する機械はいろいろな規格や大きさ(馬力)の芝刈り機器を使用します。個人のお家の芝刈りは小さい芝刈り器(1連モア、1連ロータリーモアなど)使います。競技場や野球場などは3連リールモア、大規模公園や広場は5連リールモア、3連ロータリーモアなどの実施で効率的な作業の進め方と見た目での美観を提供するために実施しています。刈り方や刈る方向などにも工夫をして実施することで、芝生の見た目も変わります。


芝刈り後

<説明>
芝刈り後の2枚を入れました。仕上げがまだまだですが、一番整って見えるのは、やはりリールモア刈刃の実施がいいように思います。特に競技場などでは刈り方や芝生の品種によって、競技者のモチベーションアップや応援者や観客からピッチ全体の見た目での魅力的な芝生提供もできると思います。新しい競技場がオープンしたら皆さん是非とも足を運んでください。全力でプレイして全員で楽しんでください。

部分状況

<説明>
施工当初からフイールド内の散水ボックスや電磁弁ボックスなどの所は、前にも写真でその成長具合を紹介してきましたが、細かい所がやっと仕上がってきました。まだまだお引き渡しまでにはしなければならない作業もありますが、芝生が全体に覆って仕上がってきてくれてやれやれです。これからも芝生の密度を上げます。

試験箱の根茎状況

<説明>
芝生シリーズ紹介前のブログで芝生の生育試験を紹介していましたが、工事現場でも今回の競技場の土壌と同じ構造にして、蒔き芝施行を実施して根茎の成長を観察しました。試験箱内の土壌構造は砕石に客土25センチ厚の川砂を入れて筋蒔き芝施工です。よく見ていただくと根の伸長が見えます。2か月足らずで根の伸びは20cmほどの伸びになっています。生き物(芝生)は生育条件がよければしっかりと根を張ってくれ芝生の表面(ターフ)を支えてくれます。

 

【まとめ】

9月~9月初旬までの状況など含めてシリーズ(1)(2)(3)と順に紹介しました。
弊社での芝生の蒔き芝工法の実施と、その後の管理は初めてで、今まで取り組んできた工法(張芝、筋芝、吹き付けなど)とは違った管理方法でしたが、しっかりと成長してくれると確認できました。
今後、同じように育てていけば結果は出ると思います。
記事の中でも紹介しましたが、蒔き芝工法での利用に供するには、まだまだこれからの作業が沢山あります。今後も楽しみに育てていきたいです。武藤造園で管理をさせていただいている、他の場所(野球場、スタジアム、サッカー場、グラウンドゴルフ場、子供広場、学校芝生グラウンドなど)と同様に、競技力の向上と怪我なく楽しんで貰える、スポーツターフとして役に立ってくれたらと願います。
芝生シリーズ紹介は、一旦ここまでとしますが、またの機会を楽しみにしていてください。
今回のブログも最後まで見ていただきまして、本当にありがとうございました。